食事療法をはじめる前に

腎臓病における食事療法の重要性

江戸川病院 生活習慣病CKDセンター長
メディカルプラザ市川駅 院長 佐中 孜 先生にお伺いしました。


腎臓病の治療法とは?

慢性腎臓病(CKD)では腎臓の機能がある程度まで低下してしまうと、もとの状態には回復しません。CKDが進行して腎臓の機能が15%以下になると、最終的には透析療法などの腎臓の機能を代替する治療が必要になります。

透析療法とは・・・

腎臓に代わって人工的に尿毒素を除去する方法です。

透析療法が必要になると・・・

  • 週2〜3回通院し、1日4時間かけて透析を行う
    ※血液透析の場合
  • 腎臓移植をしない限り生涯続く
    (移植をしても拒絶反応が心配)
  • 透析開始後もカリウム・リン・塩分・水分の制限が必要

監修:江戸川病院 生活習慣病CKDセンター長
メディカルプラザ市川駅 院長 佐中 孜 先生

しかし、食事療法を継続し腎臓への負担を軽くすることで、透析療法を遅らせることも可能です。勿論、私の目標「透析療法回避」です。実績もあります。
回復しないCKDの治療において最も重要なのは、「腎臓の機能を保つ」ことです。薬だけではCKDの進行を抑えることはできません。食事療法は全てのCKD治療の基盤になります。食事療法をきちんと続けることが何よりも重要になります。


食事療法の効果とは?

食事から得られるたんぱく質・カリウム・リン・食塩を過剰に摂りすぎたり、エネルギーが不足したりすると、腎機能の低下に拍車がかかります。
適切な食事をすることで、腎臓への負担を軽減し、腎機能を保護することができます。


食事療法4つの基本

  • 【その1】たんぱく質の制限

    たんぱく質の摂りすぎは腎臓に大きな負担をかけるため摂取量を控える必要があります。
  • 【その2】適切なエネルギーの確保

    たんぱく質を制限するとエネルギー不足に陥ってしまうため、糖質や脂質などからエネルギーを確保します。
  • 【その3】減塩

    食塩の摂りすぎは血圧を上昇させ腎臓に負担をかけるため、減塩が必要です。
  • 【その4】カリウム・リンの制限

    カリウムとリンは通常尿としてからだから排泄されますが、腎臓のはたらきが低下すると上手く排泄されなくなり血液中に溜まってしまい、その結果からだに悪い影響を及ぼします。



食事療法の第一歩は正確な計量から

腎臓病の食事療法には、正確さが不可欠。「量る」ということが非常に重要です。

量った食材は全てメモをとり、後で栄養計算をする。最初は大変と感じますが、正確に量り、書き溜めておくことで、自分の食事状況を常に把握することができます。これにより食事に対する認識が深まり、安心して食事をいただくことができます。
普段から計量していると、目分量でおおよその食材の重さがわかるようになります。目分量がわかると、自分が食べてもいい量が把握できるので、外食も怖がることなく楽しめます。とはいえ、目分量は正確さに欠けるので、計量できる環境にあるときは必ず計量するように習慣づけましょう。
食事療法がうまくいくか否かは、しっかりと計量できているかどうかで大きく変わります!


食事療法の必須計量器具3点

●計量スプーン

大さじ15ml、小さじ5mlが基本。ミニ2.5ml等もあります。
ご購入はこちら

●計量カップ

一般的なもので200mlタイプ。
500mlや1Lの大容量タイプもあります。

●量り

デジタルとアナログのタイプがあります。

計量スプーン、計量カップを使うときの注意点!

レシピ本などの分量は大抵、「大さじ1」や「1カップ」と記載されています。簡単に取り分けられるので便利ですが、同じ1さじ・1カップでも調味料や食材によって重さが異なるので、ご注意を!「必要量を取り分けた後は必ず量りで計量する」ことさえ守れば、正確な使用量が把握できます! 食品成分表等には、1さじ・1カップ当りの調昧料の重さが一覧で掲載されているので、活用するとより便利ですよ!


デジタル量りの種類

1g単位で量れるものが一般的。0.5gや0.1g単位で量れるタイプもあります。

外出先でも使い易い、持ち運びに便利なポケットサイズ。最大計量120gや200g等。

アナログ量りの種類

最小目盛5g単位のものが一般的。最大計量1kg又は2kg等。

持ち運びに便利なポケットサイズ。最大計量1kgのものもあり。


食事療法には、細かい数値まで正確に量れるデジタル量りが向いています。
調味料は1g以下で使用することも多いので、0.1g単位で量れるタイプがあると、より正確に計量できるのでとても便利です。



一般的な食品成分表の見方

成分表の数値は、すべて可食部100g当りの栄養価が書かれています。



正しい栄養計算

食品成分表に載っている食品の栄養価は、すべて可食部100g当りで書かれているため、計算式は次の通りです。

成分表の値(=可食部100g 当りの値)× 食べたg÷100

例:ごはん180gの場合(通常、〈水稲めし〉精白米-うるち米を見る)

エネルギー(100g当り):168kcal
→ 168kcal×180g÷100=302.4≒302kcal
たんぱく質(100g当り):2.5g
→ 2.5g×180g÷100=4.5g

「こめ」の注意点

こめには「穀粒」と「めし」があります。
この2つを間違えると計算値が大きくズレてしまいます。
計量時のこめの状態でどちらを見るかが変わります。
炊飯前(米粒の状態):穀粒
炊飯後(ごはんの状態):めし


食品名について

食品の名前って、実はひとつじゃないことがあります。例えば、長ねぎが(根深ねぎ)、高野豆腐は(凍り豆腐)など…。身近に使っている食品名がない場合は別名で記載されていることがあるので、「備考欄」を確認してみてください。また、一つの食品の中でも、さらに細かく種類が分かれているものもあり、例えば砂糖は「砂糖類」の中の「上白糖」に、塩は「精製塩」にあたります。

廃棄率について

「廃棄率」とは、食品の食べられない部分、捨ててしまう部分の割合のことです。例えば、オレンジの皮、魚の骨、玉ネギの皮など。


参考文献:日本食品標準成分表2015年版(七訂)




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