低栄養について

低栄養にご注意を

高齢者は様々な要因により食事が摂り難くなります。
十分な栄養が摂れないと低栄養に陥り、心と体を弱らせる引き金となります。

食べられない要因

  • 加齢に伴う食欲不振

    運動量が減り、お腹が空かなくなる

    食事に時間がかかり、疲れて食べきれない

    消化機能、味覚などの低下

    加齢に伴う食欲不振
  • 噛む力・飲み込む力の低下
    噛む力・飲み込む力の低下
  • 認知症により、食べ物や
    食べ方がわからない。
    偏食
    認知症により食べ物や食べ方がわからない
  • その他

    独居による孤食

    孤独、疎外感などの精神的不安

    がんなどの治療・手術後、呼吸器系などの病気

さまざまな要因による結果…

低栄養に陥り色々な症状がおこりやすくなります

体を動かすために必要なエネルギーと筋肉や骨、免疫物質などを作るたんぱく質不足した状態。様々な症状を引き起こします。

症状

  • サルコペニアになる
    筋肉量や筋力が低下
    サルコペニアとは

    筋肉量が減り、筋力や身体機能(歩行速度など)が低下する状態。「筋肉(sarco)」「喪失(penia)」を表す。

  • 体力や免疫力が低下し、
    病気にかかりやすくなる
    体力や免疫力が低下し病気にかかりやすくなる
  • 骨が弱まり、
    骨折しやすくなる
    骨が弱まり骨折しやすくなる
  • 認知機能が低下
    認知機能が低下
サルコペニアとは

筋肉量が減り、筋力や身体機能(歩行速度など)が低下する状態。「筋肉(sarco)」「喪失(penia)」を表す。

悪循環が続くと感染症の悪化や寝たきりなど深刻な状態に陥り、健康寿命の短縮につながります。

低栄養は命に関わる危険性もある重要な問題です。
気がつかないうちに進行している恐れがあるので注意が必要です。

リスクの目安

体重減少率(%) 1〜6ヶ月の体重減少率の数値により、低栄養の程度がわかる。

リスクの目安:体重減少率体重減少率の算出方法

BMI 体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数。

リスクの目安:BMIBMIの算出方法

血清アルブミン値 アルブミンは血液中の主要なたんぱく質で、栄養状態の指標の1つ。

リスクの目安:血清アルブミン値血清アルブミン値の黄色信号

上記以外にも色々な血液検査値や日々の食事量、外観・動作などを観察することが重要です。




低栄養にならないために

口から食べると多くの身体機能を使うので、全身によい影響を与えます。


『食べる』喜びは元気の源、生きる意欲に繋がります。

まずは「なぜ食べられないのか」を確認し、個々に適した食事で栄養を摂ることが大切です。
下記に要因別のポイントをまとめましたので、コラムと併せてご覧ください。

『食べる』喜びは元気の源、生きる意欲に繋がります

食が細い、食欲が低下した場合

食べ方を工夫したり、少量でも栄養が摂れる食品を利用し、体に必要な栄養を無理なく摂りましょう。

食が細い、食欲が低下した場合

噛む力や飲み込む力が落ちてきた場合

食べ物の形態を調整すれば、誤嚥を防ぎ食事を楽しむことができます。
飲み物を飲む時、誤嚥が心配な場合はとろみをつけるとリスクが減らせますよ。
飲み込みやすくするためには食事の姿勢も大切です。

噛む力や飲み込む力が落ちてきた場合

脱水にも注意

食事量が減ると低栄養と共に脱水も進めやすくなります。対策が必要です。

脱水にも注意

認知症による場合

食べ物や食べ方がわからなくなった場合は、目の前で料理を食べたり、箸を使う様子などを見せ、認識してもらえる働きかけをするとよいですよ。
偏食がある場合は「食べてもらえること」が一番なので、本人が気に入っている料理を提供しましょう。
具を色々変えて栄養バランスを整えたり、それでも不足してしまう場合は、栄養調整食品で補ってみてはいかがでしょうか。

認知症による場合

食べられなくなる要因は1つではありません

参考:『絵で見てわかる 認知症「食事の困った!」に答えます』 菊谷武著(女子栄養大学出版部)



高齢者に必要な栄養

元気な体を保つためには『エネルギー』と『たんぱく質』が必要!!
この2つが不足すると低栄養となり、体力や免疫力が低下してしまいます。


生命維持に欠かせない三大栄養素

高齢者にこれだけ必要とされています
1日に必要なエネルギー・たんぱく質量(70歳以上)

日本人の食事摂取基準(2015年度版)より
※1身体活動レベルI(低い)・II(普通) ※2推奨量

加齢と共に活動量が減るので、エネルギーの必要量は少なくなりますが、たんぱく質の推奨量は18歳以降変わりません。筋力低下や骨折、病気などを防ぐためには、高齢者も若い時と同様のたんぱく質を摂る必要があります。


朝昼夕の食事のたんぱく質60gの量

※昼食のヨーグルトと夕食の納豆を除くとたんぱく質50gになります。


骨の材料となるカルシウムや、皮膚を健康に保つ亜鉛などのミネラルビタミンも体に必要ですが、エネルギーとたんぱく質が不足した体の中ではしっかり働きません。エネルギーとたんぱく質が十分に摂れている状態で有効に働きます。
ビタミン・ミネラルは三大栄養素の働きをサポート

参考:『低栄養予防のお助けブック』 藤谷順子・江頭文江監修(女子栄養大学出版部) 、
『栄養素キャラクター図鑑』 田中明・蒲池桂子監修(日本図書センター)、
『改訂版 図解かみにくい・飲み込みにくい人の食事』 藤谷順子・江頭文江監修(主婦と生活社)



効率的に栄養を摂ろう

「食が細く、十分な栄養が摂りづらい」方へ

主食・主菜・副菜をバランス良く!栄養を高めるためには「おかず」から食べる

食べやすい主食に偏らず、栄養価の高いおかず(主菜、副菜)も一緒に食べることが大切です。
食が細い場合は、「お腹いっぱい」となる前に、たんぱく質を補える主菜から食べましょう。

主食・主菜・副菜をバランス良く!


食事の回数を増やす

「小食」「食事に時間がかかり疲れてしまう」場合は、1回の食事量を少なくし、数回に分けて食べると、
食事への負担が減らせ、1日の摂取量も増やせますよ。

食事の回数を増やす


主食に栄養をプラス

身近な食品をちょっと足すだけで、彩りや香りも良くなり栄養&食欲アップに!

主食に栄養をプラス

特殊食品の利用が便利

料理や飲み物に加えるだけで簡単に栄養が補えます!

特殊食品を利用してエネルギー・たんぱく質アップ

でんぷん糖・油脂類でエネルギーアップでんぷん糖・油脂類の商品一覧へ

飲み物や料理に溶かして栄養を補う飲み物や料理に溶かして栄養を補う商品一覧へ



高栄養食品を活用

「工夫しても食べられる量が少ない」「より手軽に栄養補給したい」場合は、濃厚流動食品濃厚流動食品の一覧ページへ栄養強化デザート栄養強化デザートの一覧ページへが便利!
補食として活用することで、バランスよく栄養が摂れます。

※濃厚流動食品や栄養強化デザートをご利用の際は医師や栄養士にご相談ください。

少量でエネルギーや栄養を補えます


参考:『低栄養予防のお助けブック』 藤谷順子・江頭文江監修(女子栄養大学出版部)
『NSTで使える栄贅アセスメント&ケア』 足立香代子・小山広人編(学習研究社)
『5分でできる介護食』 在宅栄養アドバイザーE-net松月弘恵ほか著(中央法規出版)




高齢者の脱水

高齢者は、脱水状態に陥りやすい傾向にあるので、日々の予防と早期発見、適切な水分補給が大切です。


高齢者が脱水に陥りやすい要因

高齢者が脱水に陥りやすい要因

水の出入り

水の出入り

こんなときは要注意!

  • 皮膚や唇・口内の乾燥 微熱などがある場合は注意

    水分の摂取量が少なく、体内の水分が不足している可能性があります。

  • 汗をたくさんかいたり 下痢・嘔吐が続いた場合は注意

    水分と共に『電解質(特に塩分)』も多く失われるので、両方補給できるスポーツドリンクなどが必要です。

  • 冬の脱水には注意

    皮膚や呼吸から無意識に蒸発する水分や暖房による乾燥などで、冬でも脱水に陥る可能性が!こまめな水分補給が大切です。


脱水予防のポイント

1日に摂る水分の目安は約2リットル 最低でも約1リットルは必要
水分補給は回数を分けて少しずつ行うことが大切です

※病態により、水分や電解質の制限が必要な場合は、専門の医師・管理栄養士などに相談し、
個々に適した水分補給を行ってください。


参考資料:『カラー固解高齢者の栄養管理ガイドブック』 下田妙子編(文光堂)、
『実践介護食事論一介護福祉施設と在宅介護のための食事ケアー』 杉橋啓子ほか絹蓉(第一出版)、
『スリーステップ栄養アセスメントを用いた在宅高齢者食事ケアガイド -脱水,PEM, 摂食・蒔下障害,褥創への対応』
蓮村幸兌ほか編、在宅チーム医療栄蓑管理研究会監修(第一出版)



ロコモ予防でずっと元気に!

メタボではなく、『ロコモ(ロコモティブシンドローム)』をご存知ですか?

骨や関節、筋肉などの衰えにより、「立つ」「歩く」 「座る」といった機能が低下している状態です。放っておくと日常生活に支障をきたすので注意が必要です!

  • 加齢・低栄養・運動不足
  • サルコペニア(筋肉減弱症)・骨粗相症

    骨・関節・筋肉などが衰える

  • 日常生活に制限がかかる

    立てない、歩けない

    日常生活に制限がかかる

  • 要支援・要介護のリスクが高まる

    要支援・要介護のリスクが高まる

適度な運動と適切な栄養を摂ることで強く丈夫に維持されます。
無理なく続けられる生活習慣を取り入れ、ロコモを予防しましょう。

予防1意識して体を動かす

適度な運動はストレス発散にもなります。

  • 家事をテキパキ

  • 階段を使う

  • 早歩きで移動

  • 軽い運動やストレッチ

ポイント

誰かと一緒に楽しみながら行うと、心も元気になり継続できますね!

予防2バランスの良い食事を心がける

色々な食品を食べることが高齢期の筋肉量や体力の低下予防に繋がります。

食事内容チェック

合計点が高いほど様々な食品が摂れています。不足しがちなものは意識して食べましょう。

ほぼ毎日食べる・・・1点

2日に1回or週1,2回orほぼ食べない・・・0点

地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所考案
「食品摂取の多様性得点」より作成

「主食、主菜、副菜」が3食摂れない時は1日の中で調整しましょう!

朝食が少ない場合は昼食や間食でたんぱく質、ビタミン、ミネラル豊富な食品を食べる。

  • 朝食
  • 昼食
  • 間食
  • 夕食
食べる時間が十分にない時は、栄養補助食品に頼ろう!

朝食やおやつに!!手軽にたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどが摂れます

  • 高栄養食品
  • デザート
  • 飲料

参考:『ロコモパンフレット2015年度版』 公益社団法人 日本整形外科学会/ロコモ チャレンジ!推進協議会企画・制作


栄養価計算がラクチン!無料でご利用できます!

無料 日々の食事管理に! ヘルシーネットワークで栄養計算 >